解決事例：洗脳

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解決事例：洗脳

※このケースは特別なケースであり、天光関係者が関連した事例である点に留意し文章を読み進めていただけたら幸いである。

ご依頼時の状況

当時、相談者（以下：彼女）はとある霊能者（以下：霊能者Ａ）にある意味軟禁されている状況であった。

《霊能者Ａとの出会い》
その霊能者との出会いは１０年以上前に遡る。
彼女は幼い頃より霊感があり、念が強い霊体や波長の合ってしまう霊体が視えてしまう体質であった。また、霊感体質との関連性があると思われる若干の透視能力も持ち合わせていた。それは電話などで相手の状況が一瞬だけ視覚化するというものであった。
他の人にはないその力に対して、幼い頃より疑問や不安を抱えていたが、友人や家族に相談する事はなかった。話せば変人扱いを受ける可能性もあり、実生活での害が特に無かった為である。

そんな体質を抱えたまま月日が流れていった。
２０代の頃であるが、当時お付き合いをしていた彼氏の背後に女性の霊が見える様になったのである。初期の頃は視える事は少なかったが、付き合いが深くなればなるほど頻繁に目の前に現れる様になっていった。その特徴などを彼氏に話したところ過去に自殺をしたお付き合いしていた女性が存在していたことが判明した。
常に見られているという感覚、当時の二人の仲を引き裂こうと思っていたのは明らかであったが、どう対処して良いのか判らなかった。そんな時に現れたのが霊能者Ａであった。

霊能者Ａは中程度の透視能力を持っていた様で、彼女の様々な現実的な部分を言い当てた。
人というのは自分しか知らない事を言い当てられると、その能力に驚愕し相手の全てを信じてしまうものである。彼女も例に漏れず、透視（※１）と霊視（※２）と霊能力（※３）というものの区別がつかない一般の人が陥りやすい罠にはまっていく事となった。

（※１）透視とは現実的な部分を遠隔にて見ることのできる能力。
（※２）霊視とは神仏の姿や状態、その神仏的背景を見る能力、能力者によってはその心理状態等を読み取る能力まで含められる。
（※３）霊能力とは神仏に対して働きかける能力。その他の神仏に関連した施術全般の能力。一般的には除霊や浄霊、供養や祈祷などの能力であり、霊視も含められる。

「透視により真実を言い当てられる＝この人の言っている事は全て正しいこと」
そんな認識が彼女の頭の中で固定化され、その後は更に霊能者Ａへと傾倒していくこととなった。
背後に女性の霊が見える彼氏との件は
「彼と縁を切らないと貴方に災いが起こり続け、最終的に家族にまで及ぶ」
と言われ、霊能者Ａを信じ始めた彼女はそれに従うしかなかった。洗脳の始まりであった。

そこから数年は事ある毎に霊能者Ａに相談をもちかけ、そのたびに大金を支払った。内容は現実的な部分での透視を用いたものばかりであったが、コールドリーディングの手法とその透視能力がそれなり優れていたため、彼女は更に霊能者Ａへ傾倒していく事となった。霊能者Ａの助言には必ず従い、時には「これは貴方が生きていく上で必要な物だ。なければ不幸になる。」と言われ、高額な護符やお守りなどに大金を支払う事もあった。その頃には霊能者Ａの信者といっても過言ではない状態となっていた。その言葉には全て従うという洗脳プロセスに突入していた。

《隔離》
霊能者Ａは「魔女」という概念に固執する人物であった。魔女の教義に傾倒しており霊能者Ａなりに彼の信じる世界があった様だ。
また、とある神（以下：Ｓ神と記載）というある意味空想・妄想上の神仏に対して（後述にて亜門霊能師に存在しない神であるを確認済み）ただならぬ信仰心を持ち崇拝していた。

そんな霊能者Aは、ただの霊感体質者であり魔女としての素質を持たない彼女を次第に疎ましく思う様になっていった。その後については霊能者Ａは彼女を利用していく方向へと傾いていくこととなる。彼女をコントロールするために様々な透視的な事柄を伝え、自身の便利な駒の一つとして利用していった。
手始めに、先ずは「いま付き合っている彼が、諸悪の根源であり、このまま付き合い続けると、お前も死ぬ、両親も死ぬ、幸せにはなれない。Ｓ神がそう言っている。」と伝え、彼氏との離別を強要した。
最終的には「家に帰れば家族全員が死ぬ。連絡もしてはいけない。このまま私についてきなさい。お前も皆も幸せになれる。」と家族との離別までを強要した。これは洗脳のプロセスの一つ「隔離」である。
その後、彼女は友人・家族の元を離れ遠い地に家出同然、着る服一つなく旅立つ形となった。常識的に考えればそんなことは断ればよいと思われるが、霊能者Ａの言葉の全てを信じきっている彼女にとって選択肢は残されていなかった。

《鬱化》
遥か遠い地では夜間の工場などで働かされ、生活に必要な最低限のお金以外は霊能者Ａに搾取された。
その頃には「何かする際には必ずメールで許可を得なさい。Ｓ神も心配してそう仰られている。」と全ての行動を霊能者Ａへ伝えるという義務も負わされ、霊能者Aからのメールには必ず３分以内に返答するという義務も負わされ、まともに寝る事もできなかった。工場の夜勤勤務・頻繁なメール、その二つで睡眠不足に陥り判断力も次第に鈍っていき、心身共に追い込まれていった。
これは洗脳ではよく使われる手段「鬱化」である。
また、その期間にはいくつもの高額な護符の購入を強要され、借金までも背負わされることとなっていた。

《刷込》
追い込まれながらもこの先の未来に不安と絶望を感じた彼女は途中、実家へ戻りたいと伝えたが「帰宅すると母親が死ぬ。Ｓ神もそう仰られている。」と伝えられ行動を制限された。しかし、洗脳のプロセスが進行した彼女はその言葉を信じる事しかできなかった。その後も食べる物を買うお金もなく、日々働かされ搾取される日々が続いていた。
そんな日々だからこそ「両親に逢いたい。友達に逢いたい」そんな気持ちが彼女の中で膨らんでいった。しかし、事ある毎に霊能者Ａが繰り返す「戻れば皆が不幸になり、死ぬ。」という言葉が彼女を縛り付けた。
洗脳は第三プロセスである「刷込」まで進行していた。

そんなある日のことである。様々な形で洗脳されていた彼女ではあったが「幸せになるために家を出たのに、全く幸せではない・・・」と疑問を感じ霊能者Ａに尋ねた。
その返答は「貴方はこのままでは幸せになれない。このままではね・・・。なので、もっと誠意を示しなさい。Ｓ神もそう仰られている。」であった。
彼女の中で矛盾が生じ何かが壊れた。それは懐疑心が生まれ洗脳が一瞬解けた瞬間であった。
洗脳による抑制が一瞬解除されたと同時に「両親に逢いたい。友達に逢いたい」気持ちが溢れ出てきた。
たまたま携帯を渡されていた彼女は自身の気持ちの不整合に救いを求め、インターネットで本当の霊能者とはどういったものであるのかについて検索した。
そこでたどり着いたのが亜門霊能師を支援するホームページである。当時、そのホームページでは神仏問題で困っている人々に管理人と呼ばれる人物が亜門霊能師を紹介するということを行っていた。

彼女は勇気を持って管理人なる人物へ現在の状況・苦悩を伝えるメールを送信した。洗脳が完全に解けておらず常に霊能者ＡとＳ神に監視されている感覚のある彼女にとってそれは勇気のある行動であった。
その後、様々なメールやり取りがあり、最終的に彼女はそこで亜門霊能師を紹介され、翌日に奇跡的にその場所から逃走し、亜門霊能師の元へたどり着いたのである。

霊視鑑定結果

「Ｓ神に常に監視されており、霊能者Aから透視されており無断で行動をすると私の周囲に不幸が訪れる・・・本当に逃げ出して大丈夫なのだろうか・・・」という洗脳的な感覚に縛られながらも無事に仙台にたどり着いた彼女は亜門霊能師と対面した。
管理人なる人物から事前に連絡を受けていた亜門霊能者は彼女を快く受け入れた。
まず、亜門霊能師が霊能者Ａを霊視したところ、霊能力・霊視能力ともになく、透視能力のみ持っているだけであった。
霊能者Ａには支援している神々もおらず、洗脳に利用された彼らが信仰する彼らを支援するＳ神の存在も完全に否定された。高額で買わされた幾つもの護符についても全く力のないものであり、騙されて購入させられた事も判明した。
また、実際には透視能力しか無い霊能者Aや架空の神であるＳ神の事を恐れる事は全く無意味な旨を伝えられた。
現在の状況は洗脳完了の一歩手前であり、また、彼女自身は中程度の霊感体質である事が判明した。

実施した霊的処置

【除霊・浄霊・供養】
施術なし

【祈祷】
実家土地神に対する祈祷（若干土地の状況が悪いため、帰宅後に若干影響を受けることが懸念されたため）

【その他の処置】
霊感体質改善術（期間：約２年）
部屋結界の展開

その後の経過

亜門霊能師との対面後の夜に実家へと帰宅し、ご両親に再会することができた。
その後の数ヶ月は洗脳の過程で行われた事象が時折フラッシュバックすることもあり、精神的にかなり不安定な時期もあったが、時間経過に伴い洗脳も解け、精神状態も徐々に落ち着いていった。
霊感体質については時間経過とともに改善し、２年後には霊体が全く見えない状況となった。それと同時に一瞬相手の状況が視えるという透視能力に関しても消失していった。
その後は紆余曲折あったが、亜門霊能師を紹介した人物と結婚、その１年半後に子供も授かる事もできた。
現在は家族３人で幸せな日々を過ごしている。